HPVワクチンとは
子宮頸がん発症の主要な原因である、発ガン性ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。
子宮頸がんは、HPVワクチンの接種によって予防が可能ながんです。
ヒトパピローマウイルスにはいくつかの型があり、子宮頸がんを発症するリスクが高いものを「ハイリスクHPV」と呼び、16型・18型をはじめ約十数種類が知られています。
HPVワクチンはこのハイリスクHPVの感染を予防するもので、国内で接種できる予防ワクチンは「ガーダシル」と「サーバリックス」の2種類がありましたが、2020年に「シルガード9」が正式に承認され、W Femina Clinicでも「ガーダシル」に続き、「シルガード9」の予防接種を開始致しました。
予防と効果
発ガン性ヒトパピローマウィルス(HPV)は100種類以上ありますが、子宮頸がんなどを引き起こすハイリスクのウイルスは、16型や18型など約15種類とされています。このうち2種類のウイルス感染を防ぐのが2価ワクチン(サーバリックス)、4種類のウイルス感染を防ぐのが4価ワクチン(ガーダシル)、9種類のウイルス感染を防ぐのが9価ワクチン(シルガード9)です。
ガーダシルはHPV6、11、16、18の4つの型のヒトパピローマウイルス(HPV)による感染を防ぐワクチンです。子宮頸がんを約60%以上予防します。シルガード9はHPV6、11、16、18、31、33、45、52、58の9つの型のヒトパピローマウイルス(HPV)による感染を防ぐワクチンです。子宮頸がんを約90%以上予防します。
ガーダシル、シルガード9は尖圭コンジローマの原因ウイルスHPV6型、11型の感染も予防することができます。
HPVワクチン「シルガード9」
接種費用 | 1回/25,000円(税別) 3回/75,000円(税別) ※R5.4月より公費接種対象者あり 2021年2月24日より日本国内でも販売開始となりました。 現時点では、公費接種の対象外となります。 接種希望者は、「ワクチンQダイアリー」への登録が必要となりますので、院内で登録していただく必要があります。 スマホかタブレットのご持参をお願い致します。 |
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対象 | 9歳~45歳の女性 |
接種部位 | 肩の近くの腕の筋肉に接種します。 |
接種回数 | 半年間に3回(3回の接種により十分な抗体がついて予防効果が期待できます) 1回目:初回接種、2回目:初回接種から2ヵ月後、3回目:初回接種から6ヵ月後 |
予防できるHPVの型 | HPV16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型(ハイリスク型)、HPV6型・11型(ローリスク型) |
効能と効果 | 上記の9種類のヒトパピローマウイルス感染に起因する以下の疾患の予防/子宮頸癌(扁平上皮細胞癌、腺癌)、その前駆病変 子宮頚部上皮内腫瘍/上皮内腺癌/外陰上皮内腫瘍/膣上皮内腫瘍/尖圭コンジローマ |
受けられない方 | 明らかに発熱している方(通常37.5度を超える場合)/重い急性疾患にかかっている方/ガーダシルの成分によって過敏症を起こしたことがある方(詳しくは医師におたずね下さい)/その他、かかりつけの医師に予防接種を受けないほうが良いと言われた方 |
お知らせ
令和5(2023)年4月から、シルガード9も公費で受けられるようになりました。
2023年度の公費接種対象者については、
・2007年4月2日~2012年4月1日生まれの女子(2023年度に12~16歳になる女子)
・1997年4月2日~2007年4月1日生まれの女子(2023年度に17~26歳になる女子)※キャッチアップ接種
※27歳以上の方も自費にはなりますが接種可能です